ボトムアップの意識醸成を通じて体質をシフトした上で、トップダウンでの体系的な取組を通じて "選ばれる会社" に踏み出す

SDGsカードを活用した社員教育を通してボトムアップ提案を促進、企業の取組や商品開発へと昇華

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株式会社タカショーデジテック

全社的な環境意識の向上により、新たなビジネスチャンスを創出

製造業海南市従業員数 101~300人

企業情報

代表者
代表取締役社長 
古澤 良祐
設立年
2004年
本社所在地
和歌山県海南市
従業員数
156名
事業概要
  • LEDを使用した大型サインから銘板の開発ー販売
  • 商業施設におけるサイン・照明の開発ー販売
  • エクステリア・ガーデニングにおける照明の開発ー販売
  • 寝装品、インテリアのデザイン及び販売
  1. きっかけ・概要

    社長の気づきをカード
    ゲームで社員へ共有

    • セミナー参加をきっかけとした、"「選ばれる会社」となるには環境への取組が重要"という社長の気づき
    • 風通しの良い社風

    取組の経路

    取組の経路
  2. 取組内容

    予想を超える若手の発想力で商品化

    脱炭素の価値化

    社員によるボトムアップの提案を促す

    SDGsカードゲームにて得たSDGsの切り口の理解の上でExcelシートにてアイディアを募集

    脱炭素の価値化 社員の提案を企業全体の取組・商品開発に昇華

    商品開発・製造における取組

    • 高効率照明の開発、光を最大限生かす器具設計
    • リサイクルアクリルを利用した製品「Re:SIGN」など

    社内における取組

    • エコ検定取得推進 (各部署従業員の2割目標)
    • 従業員家族に向けた情報発信など

    上記取組を自社メディアにて発信

    脱炭素の実践

    まずはSDGsに対する社員の意識向上から取り組む

    アドバイザーを招きSDGsカードゲームを実施、SDGsに対する理解を深める

    脱炭素の実践 トップダウンも交えた両輪の取組に転換し、大企業と肩を並べる先進的な認定を取得

    「エコファースト認定」の取得

    • 個別の取組だけではなく、バックキャストで統合的取り組むべきでは?との思い
    • 営業の際にも、顧客に伝えやすい

    取組の難しさ

    定量的な説明・発信

    各取組においてどれくらい環境負荷を低減しているか、定量的な説明を用意することが難しい

  3. 成果・効果

    新しい顧客ニーズへのいち早い対応で差別化

    取組を通じて、若手を中心にボトムアップでの提案が活性化

    • アイディア募集に対して、100名以上 (社員の大半) が提案
      • 社内で出来る取組 (「ボールペンは芯だけを交換する」など) から、商品化につながる提案 (LED、再生アクリル、水性塗装) まで、様々な意見が集まる
      • 経営層としても、"特に若手を中心に、従来よりサステナビリティに関心のある層はいるものだな" という感触

    環境に関する取組について、顧客は一様にポジティブ

    • 実際に大手企業の発注が増えている
    • 引き合いにも強くなり、従来品より価格が高くても選ばれるケースが増加
    • 同業界ではまだ対応できていない企業が多く、差別化要素になっている
    「選ばれる会社」への一歩

    今後の展望

    今後、顧客からCO2削減量についての具体的な数値が求められるようになってくると想定

    どの様なコミュニケーションに対して、どのような算定をするのか、見定めていく必要がある

  4. 代表者コメント

    さらなる取組拡大で企業ブランド価値向上を目指す

    古澤 良祐

    代表取締役社長

    古澤 良祐

    セミナーへの参加をきっかけに、「環境への取組が企業の競争力や信頼性向上に不可欠である」と改めて認識しました。特に、SDGsや脱炭素といった社会課題は、単なる取り組みではなく、企業活動そのものに直結する重要な要素であり、"選ばれる会社"となるための軸として据えることにしました。

    まず、社内の風通しの良さを生かし、社員一人ひとりがSDGsの視点を業務にどう活かすかを主体的に考えられる環境を整えることから始めました。その第一歩として、社員教育を強化し、全社員にSDGsの基本概念を理解してもらうために、SDGsカードゲームを活用した研修を実施。特に「脱炭素」の重要性を浸透させることを目的としました。

    続いて、社員からSDGsに貢献できるアイデアを募集したところ、脱炭素に資するものも含めて100件を超える提案が集まりました。若手を中心に、日常業務の改善から商品開発につながるアイデアまで多岐にわたり、実際に事業へ反映されたものもあります。例えば、高効率照明の開発やリサイクルアクリルを使用した「Re-SIGN」の導入、梱包材の省資源化など、具体的な施策として実現しました。こうした取組は顧客からも高く評価され、従来品より高価格であっても選ばれるケースが増加。さらに、大手企業からの発注増加につながり、同業他社との差別化にも成功しています。

    一方で、環境負荷削減の取組を定量的に示すことが今後の課題となっています。そのため、エコ検定の取得推進(各部署の20%取得目標)や従業員の家族への環境啓発活動を進めるとともに、トップダウンのアプローチも加え、より組織的に推進しています。その一環として、環境省の「エコ・ファースト認定」を取得し、顧客に対して環境への取組を明確に説明できる体制を整えました。

    今後は、CO2削減量などの定量的な指標を整備し、顧客や取引先のニーズに応える準備を進めていきます。特に、大手企業を中心に具体的な数値を求められる場面が増えると考えられるため、より客観的なデータを基に環境への貢献を示していきます。また、脱炭素に向けた取組のさらなる拡大を図り、環境経営の価値を高めることで、企業ブランドの向上へとつなげていきます。