リサイクル事業を子供達への学びの場と位置付けることで、会社としての姿勢が評価され、結果として大手から受注を獲得
工場見学への注力、再生資源由来商品の製造・販売、SBT認定の取得計画


株式会社松田商店
こどもたちの学びの場にもつながるリサイクル事業を通じて、社内人材の活性化と 採用力を強化
その他サービス業和歌山市従業員数 1~100人
企業情報
- 代表者
- 代表取締役
松田 多永
- 設立年
- 1990年
- 本社所在地
- 和歌山県和歌山市
- 従業員数
- 40名
- 事業概要
-
- ペットボトルリサイクル・製品化事業
- 家庭資源ごみ・金属スクラップの廃棄/リサイクル事業
- 産業廃棄物処理
目次
-
きっかけ・概要
海外では、現場である
工場が教育コンテンツに!-
先代がドイツの工場を視察した際、工場が綺麗で子供が見学へ来ていることへ感銘を受け、工場見学を開始
- "リサイクルは子供に学ぶチャンスを与える仕事"
取組の経路
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先代がドイツの工場を視察した際、工場が綺麗で子供が見学へ来ていることへ感銘を受け、工場見学を開始
-
取組内容
独創的な発想で唯一無二
の工場見学が地域で共感脱炭素の価値化
リサイクル工場を単なる処理の場から、共感・学びを生む場に和歌山大学の取組がきっかけで、自社キャラクター (クルリンロボ) を考案 (絵本を販売) 、キャラクターの受けが良かったためアトラクションの導入を構想
子供/環境/地域への貢献という意志に共感して、様々な関係者が協力
劇団員
- "面白そうな取組なので脚本を書きましょう"
電機会社
- からくり作成が出来そうな知り合いの電機屋を紹介
建築会社
- 工作物を作っている会社を紹介
HP制作会社
- 工作物のデザイン案を作成
時間をかけ、徐々に社員にも拡大
- アトラクションのキャストとして教育
脱炭素の実践
先進的にSBT認定の取得を計画まだ中小企業にとってメジャーな認定制度ではなく、対外的なPRになりやすい
電気代や輸送費が可視化されることで、社内の担当者に指導しやすくなるとの考え
取組の難しさ
社内への訴求社員の共感が十分得られず、2-3年は代表単独で活動
徐々に事務員の方などの巻き込みに成功 -
成果・効果
地域での信頼の獲得
・社内人材の活性化取組が評価され、ゼロコストで大きな宣伝効果が生まれる
- NHKなど多方面からの取材・親善大使の訪問場所として選ばれる
- 様々な賞の受賞
取組が結果として共感・信頼につながり、優良企業から選ばれる会社に
- 買いたたきをしない優良企業から受注を獲得
銀行とも持続的に円滑な関係を維持
- 工場見学経験のある営業行員もおり、 地元の一企業である地域金融機関も、従来より地域への貢献を好感
工場見学強化に伴って、社内人材が活性化
- アトラクションのキャストとしての教育を通じ、接客の質が向上
- クローズドなリサイクル工場とは一転、工場見学によりオープンな職場となり、掃除や身だしなみ等、"背筋が伸びる"職場環境に
- 工場見学をしてみたいという意欲のある方からの採用応募
今後の展望
電気代や輸送費の増加に対して、省エネを進める必要がある -
代表者コメント
企業としてのさらなる
信頼性の向上を目指す
代表取締役
クルリンロボと松田 多永
子供たちが楽しみながら学べる場となるように、工場見学の内容を刷新し、従業員がキャストとなり、アトラクションを取り入れた体験型の見学を実現しています。
実現にあたっては、高いクオリティのアトラクションにしたいと考え、実現の意義をお話しし、外部関係者との連携を図りました。付き合いのある電機屋から、からくり作成が出来そうな電気屋を紹介いただいたり、また建築会社からは工作物を作っている会社を紹介いただいたり、HP制作会社には工作物のデザイン案を作成いただきました。また、コネクションのあった劇団員の方には、脚本の作成や、従業員のキャストとしての教育のお手伝いをいただきました。このような連携のもと、アトラクションの設計や制作をプロによるクオリティながら、資金を抑えつつ進めることが出来ました。
初期段階では、社内での理解や支持が得にくい状況で、活動開始から2〜3年は代表のみで進める形となり、全社的な活動に発展するまでに時間がかかりましたが、徐々に事務員の方などの巻き込みに成功しました。
工場見学の取組を通じて、地域貢献やそこから生まれる信頼によって選ばれる会社となり、大手企業からも受注を獲得することが出来ています。工場見学経験のある営業行員がいることや、絵本などの資料が銀行内で引き継がれていること、地域への貢献が好感されていることで、銀行とも円滑な関係を維持しています。
また、工場見学に向けた掃除や、身だしなみへの配慮が必要となったことで、自然と背筋が伸びる職場環境となっています。キャストとしての教育を通じて、結果的に従業員の接客スキル向上も見られます。
さらに、メディア取材や賞の受賞を通じて、企業の認知度が大幅に向上しました。NHKなどの全国放送をはじめ、多くのメディアに取り上げられたことで、大きな宣伝効果を得ています。
現在では、先行した取組として、SBT認定の取得を目指しています。今後は、電気代や輸送費の増加に対応するため、省エネ施策を強化する計画を立てています。まずは可視化を実行しSBT認定を取得することで、社内での指導に活用することや、企業としての信頼性をさらに向上させることを目指しています。